斎藤知事「告発文書」への対応はやはり問題だ 「パワハラ確認できず」の結論で収束じゃない

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そして最も大切なのは、通報内容の「真実相当性」だ。斎藤知事は、3月20日に発覚した告発文書については、「うそ八百」で、その後も「核心部分が事実ではない」などと、真実相当性はないと主張している。

4月4日に県の公益通報窓口に出された文書と3月の文書は、ほぼ同じ内容だ。それにもかかわらず、片方は「うそ八百」で、片方は公益通報として調査結果を公表するという矛盾が生じている。

最初の告発文書は、報道機関などに宛てた外部通報(3号通報)で、内部通報(1号通報)とは通報の条件などの違いがあるにしろ、斎藤知事はその後開かれた百条委員会で、大きな声で叱責したことや、物品を受領したケースがあったことは認めている。

さらにいえば、職員公益通報の調査結果を公表した財務部は、同時に物品供与のガイドラインやパワハラ研修を実施するなどの是正措置を取るよう県に要請している。告発に真実相当性があったことの証左でもある。

不利益がないようにするのが法律のポイント 

県民局長の告発が公益通報に該当するとなれば、次の焦点は、不利益な取扱いや通報者探索を命じた斎藤知事や、その陣頭指揮にあたった片山前副知事らの行為が、法令違反に当たらないかどうかである。

公益通報者保護法は2006年に施行され、2年前に改正されている。その改正法では、従業員が300人を超える事業者や団体(行政機関も含む)は公益通報窓口に「従事者」を置いて守秘義務を課すことが義務付けられた。故意に違反すれば30万円以下の罰金だ。

通報受付体制の整備も重要な改正ポイントだ。指針によると、通報窓口は組織の長や幹部などからの独立性を確保し、通報事案に関係する者を対応業務から外す利益相反規定も盛り込まれている。不利益な取扱いがあった場合は、救済・回復の措置をとる。公益通報と認められれば、斎藤知事や副知事だった片山氏は関わってはいけない。まして本人に対する告発なので、利益相反にも該当する。

そして、その不利益な取扱いをした者や通報者の探索をした者に対しては、被害の程度に応じて懲戒処分など適切な措置をとることになっている。

同法の指針では、これが組織内部の1号通報でも外部への3号通報でも、同様に扱われるよう明記されている。つまり、県民局長の通報が公益通報だとみなされれば、斎藤知事も片山氏も違反を問われる可能性があるということになる。

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