ラーメン二郎「インスパイアに勝訴」の驚く舞台裏 30年以上、二郎を支えてきた顧問弁護士の奮闘があった
精神的な主柱(山田さん)と実務担当(幹男さん)の法的なバックアップが弁護士の役割だ。仕事は多岐にわたる。
開業における賃貸借契約のチェックもその一つだ。訴訟になることもある。
「親父さんと息子さんが視察してOKが出た店舗を私が確認します。ラーメン二郎の知名度が全国的になったこともあり、賃料を過剰に高く取ろうとしてくる場合もあります。
立ち退きの問題など訴訟になった案件もあります。話し合いによる解決を目指しますが、難しければ裁判で主張すべきことを主張していきます。その関係で負けたことはありません」
また、客とのトラブルなどをめぐり、加盟店から個別の法律相談にも応じている。
店内で動画撮影のトラブルも目立つようになり、店舗によっては警告の張り紙を出すような対応もしている。
グループでは年に1回の「店主会議」の場で、店主の面談も実施。
「店舗の数が増えていくと、1人の勝手な行動が他の店主に影響を与えていきます。そうならないように、危ない店主がいれば、ここは考え直したほうがいいよと注意を伝えます」
「二郎系」や「インスパイア」との違い
二郎人気にあやかりたいと商品化の要望は複数のメーカーから寄せられてきた。法務部とのやりとりは弁護士の仕事になる。
「お客様にご迷惑がかからないかという観点で考えます。我々が品質管理できないことも考えられます。メーカー側に従うだけになってしまうことも考えられます。
ラーメン二郎である。それはつまり、ボリュームがあって、脂があって、安くて美味しい。そのようなラーメンが提供できなくなるのでお断りしています」
海外進出の話も断ってきたという。
ラーメン二郎が語られる際に、そのフォロワーである「二郎系」や「インスパイア」にも話が及ぶことがある。グループとの違いについて、ひと呼吸おいて語り始めた。