アジア平和のカギはインドと日本の連携--ブラーマ・チェラニー インド政策研究センター教授

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両国は08年、安全保障協力に関する共同宣言を行った。これは、安定したアジアの秩序を構築するうえでの重要な節目となった。この日印共同宣言は、07年の安全保障協力に関する日豪共同宣言をモデルとした。米国の軍事同盟国である日本が安全保障協力に関して合意した国は、インド以外では豪州だけである。さらにこの日印共同宣言が、09年の安全保障協力に関する豪印共同宣言につながった。

包括的経済連携協定(CEPA)と公式に呼ばれる日本とインドとの自由貿易協定は昨年8月に発効した。中国が10年秋に独占状態を利用してレアアースの対日輸出を停止したことを受け、日本とインドはレアアースの開発で協力することで合意した。レアアースは環境に優しいエネルギー技術から軍事利用まで、広い範囲で欠かせないものだ。
防衛システム共同開発と海軍の相互運用を進めよ

今日、2国間の公式行事はその水準と頻度において並外れている。今回の野田首相のニューデリー訪問は、両国首相が出席する年次サミットを開催するという両国のコミットメントの一環として行われた。併せて、現在いくつかの年次閣僚会談を行っている。つまり、戦略に関する外務相会談、安全保障に関する防衛相会談、政策に関する日本の経済産業相とインドの商工相の会談、エネルギーと経済に関する閣僚級会談である。

さらに、日本とインドと米国は昨年12月19日にワシントンで3国間の戦略会談を開始した。米国が加わったことで日印間の協力は深まることはあってもその逆はない。日本の玄葉光一郎外相が最近語ったように、「日本と米国はインドとの戦略的関係を深めており」、この3国間の会談はアジア太平洋地域の主要民主主義国3カ国の間の「協力の具体例」である。こうした協力は豪州を含めて4カ国間になる公算が大きい。

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