アジア平和のカギはインドと日本の連携--ブラーマ・チェラニー インド政策研究センター教授

日本とインドは、日本の思考と政策の微妙な変更を要する二つの考えを受け入れることで、戦略的協力を強化する必要がある。

一つは両国の強力な海軍の間で相互運用を構築することだ。そうすれば、ほかの友好的な海軍との協力を通じてインド・太平洋地域で平和と安定を下支えすることができる。安倍晋三元首相が最近ニューデリーで語ったように、その目的は「早期に日本とインドの海軍が継ぎ目なく相互に連携すること」である。現在、日本は米軍とのみ海軍の相互運用を確立している。

二つ目の考えは防衛システムを共同開発することだ。日本とインドは、それぞれ米国、イスラエルとミサイル防衛で協力している。日本とインドが相互の安全保障のためにミサイル防衛やほかの技術で協力すべきでないという理由はない。日印の防衛協力は包括的であるべきで、戦略会談や海事協力、不定期の海軍演習に限定されてはならない。

大西洋共同体や日米パートナーシップなど、世界で最も安定した経済パートナーシップは安全保障協力の基盤の上に築かれてきた。戦略的パートナーシップによる下支えを欠く経済関係は、日本やインドの対中経済関係からわかるように、安定度が低く急変しやすい傾向がある。日本とインドは緊密な戦略協力を通じて、インド・太平洋地域の自由、繁栄、安定の構築に向けた取り組みを主導しなければならないのだ。

Brahma Chellaney
インドの代表的な戦略研究家。1989年ジャワハルラル・ネルー大学で博士号取得(国際関係学)。ハーバード大学、ブルッキングス研究所などを経て現職。専門は安全保障と軍縮。近著に『水-アジアの新たな戦場(仮)』。

(週刊東洋経済2012年1月21日号)

記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。

photo:Yann (talk) CC BY-SA
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