75歳を過ぎたら「一つくらい病気持ち」が案外いい 90歳現役医師「病気の有無より気にすべきこと」

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ディスアビリティの原因になっている病気があるならば、その病気を治すことも考えるべきだが、その目的は機能が元に戻るか、改善するかであって、病気を治すことが目的になってはならないのだ。

機能を改善して、支障なく生活することを目的と考えれば、病気を治すだけが手段ではなくなる。

歩きにくいようなら、杖や手押し車を使えば、ゆっくりでも歩くことはできる。階段や段差が支障になるのであれば、環境をバリアフリーにすることで不自由を減らせるかもしれない。

「機能が保てれば」で視野が広がる

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ディスアビリティは、個人の問題だけでなく、環境や社会によって制限されているものも多い。

病気があるかないかで考えてしまうと、どうしても視野が狭くなる。「病気があっても機能を保てていればいい」と思えば、少し視野が広がるのではないだろうか。

ディスアビリティという「より高い視点」でとらえることで、これまでの病気やQOLに対する考えも変わってくるはずだ。その結果、細かいことは気にしないという境地にたどり着くことができるだろう。

折茂 肇 骨粗鬆症財団理事長

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おりも はじめ / Hajime Orimo

公益財団法人骨粗鬆症財団理事長、東京都健康長寿医療センター名誉院長。1935年1月生まれ。東京大学医学部卒業後、1986年東大医学部老年病学教室教授に就任。老年医学、とくにカルシウム代謝や骨粗鬆症を専門に研究と教育に携わり、日本老年医学会理事長(1995~2001年)も務めた。東大退官後は、東京都老人医療センター院長や健康科学大学学長を務め、現在は医師として高齢者施設に週4日勤務する。

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