75歳を過ぎたら「一つくらい病気持ち」が案外いい 90歳現役医師「病気の有無より気にすべきこと」

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病気があっても元気に生きる。そのためには、心の持ちようが肝要だ。

75歳を境に体が大きく変化するのであれば、心の持ちようも変えるのが道理であろう。大原則として、「おおらかに考える」ことをおすすめしたい。自分の老いを感じるたびに一喜一憂しない。細かいことにこだわりすぎない。くよくよしない。それが大事ではないだろうか。「あれしちゃダメ」「これは体に悪い」などと細かいことを気にしすぎるのはストレスになるし、ストレスこそが体にはいちばん悪い。

人間だって動物だ。疲れたら休みたくなるし、睡眠が足りなければ眠くなる。元気なら動きたくなるし、体調や気分によって食べたいものも変わる。理屈にこだわるより、自分の体からの声に耳を傾けて、その時にしたいようにする。食べたいものを食べる。それがいちばんだ。

長年、老年医学の研究を続けてきた現役の超高齢者である私自身が、90歳になってたどり着いたのが「たいていのことはほったらかしでいい」という考えだ。人生はあれこれ考えたところで、なるようにしかならない。とくに75歳を過ぎたらもう、細かいことは考えず、自由気ままに生きればいいのだ。

具体的にはどう向き合う?

では実際に、「ほったらかしの精神」で、衰えていく体とどう向き合っていけばいいのだろうか。

一般的に、日本の医療では、病気に対して治療を行う。肺が悪ければ肺の薬、心臓が悪ければ心臓の薬、血圧が高ければ血圧の薬、というように、一つの病気、一つの臓器に対して薬を使い、治療を行う。

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