「骨の老化」を甘く見る人が知らない"ドミノ骨折" 「骨こそが健康長寿のカギを握る急所」の理由

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

さらに、骨粗鬆症になると、心筋梗塞や脳梗塞などといった、心臓や血管の病気のリスクが高まるという報告もある。「たかが骨。たかが骨折。生命に関わるものではない」などという考えは大間違い。骨こそが健康長寿のカギを握る急所なのだ。

骨が弱くなると、なぜ血管も衰えてしまうのか

さて、ここから私が主張したい「人は骨とともに老いる」という考えについてだ。

骨と血管の関係を語る上で欠かせない、重要なキーワードが「カルシウム」だ。私は骨の研究に際し、カルシウムの代謝について専門的に研究を続けてきた。

カルシウムの99%は、骨と歯に蓄積されている。骨と歯に存在する以外の1%は血液の中にある。カルシウムには、骨や歯を作り、丈夫にすることのほかに、筋肉を収縮させる、心臓の正常な鼓動を保つ、血液を固めて出血を予防する、イライラを鎮め気持ちを落ち着かせるなど、さまざまな役割がある。

カルシウムの最も重要な働きは、人間の体に存在する約40兆個もの細胞に情報を伝達することだ。血液中のカルシウムは、副甲状腺から分泌されるホルモンの働きによって常に一定の濃度に保たれていて、体内のさまざまな機能を正常に維持する役割を果たしているのだ。

例えば、筋肉が正しく収縮したり、心臓が規則正しく拍動したりするためには、血液中のカルシウムの濃度が一定に保たれることが必要だ。

関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事