「骨の老化」を甘く見る人が知らない"ドミノ骨折" 「骨こそが健康長寿のカギを握る急所」の理由
人は骨とともに老いる
私はこれまで、老年医学、とくに骨の研究に長年身を捧げてきた。その中で、「人間の体の老い」に興味を持ち、自らのライフワークを支える考えと出会った。それが「人は骨とともに老いる」ということである。
イギリスの著名な医学博士、ウイリアム・オスラー先生が残した「人は血管とともに老いる」という名言があるが、私はそれになぞらえ、あえて「骨」とした。血管と同様、いや、それ以上に骨は人の老いと深く関わるものと考えたからだ。
我々の体内では、新陳代謝によって、古い骨が壊され、新たな骨が作られるという営みが常に繰り返されている。日々新たに作り替えられることで、骨は強さを保っているのだ。骨はカルシウムを蓄えつつ、人の臓器を守り、健康な体とその活動を支えている。


















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