先ほどの筆箱の例でもそうでしたが、親が善意でしてくれることほど、子どもはそれを断ることが難しくなってしまいます。「送り迎えしようかって言ってもらったからには、お願いしないとだめかな」「部屋で勉強あんまりしたくないんだけどな」と内心思っていたとしても、筆箱でキレた例のように親に対してNOをぶつけられる受験生は少ないのです。
また受験の時期になって、これまであまり関わってこなかった親が「自分も何か手伝おうか」と受験に介入してくることもすごく多いです。よくあるのは、受験に関する面倒を見るのは母親の役割だったのに、受験期になって急に父親が「自分も弁当くらい作ろうか」「自分も送り迎えくらいできるぞ」と手伝おうとしてくるパターンです。
父親の気持ちは非常によく理解できます。家族が頑張っているのだから、自分も何か手伝ったほうがいいのではないかという感覚になるのは当然だといえます。
ただ大変心苦しいのですが、子どもからすると、そうやって父親が受験を手伝おうとすること自体に、自分のルーティンを壊されるような恐怖感を覚える場合があります。
1年前からずっと手伝っているというケースであれば、それはルーティンに組み込まれているでしょうから問題ないのですが、直前期になっていきなりとなると、子どもにとってはマイナスな感覚になってしまう場合も多いのです。
「口出ししない」が吉
「父親が受験に何も口出ししなかったのがよかった」と述べている受験生は案外多いです。「勉強に疲れたときに母親に話しかけるとどうしても受験の話題になってしまうけれど、父親となら受験に関係ない話ができるので、いい気晴らしになった」と言う東大生も多く、受験に介入しないというのも、親御さんの1つの役割といえるかもしれません。
いろいろお話ししてきましたが、親御さんには「子どもにとってのルーティン」を理解してあげて、それを尊重してあげることをおすすめします。
こうしたことを意識すると、お子さんがのびのび受験に挑めるようになります。ぜひ意識してください。
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