24年の映画興収「年間トップ10」示すヒットの傾向 23年と比較するとどんな違い?トレンドを分析

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洋画では、ディズニーの2019年以来となる50億円ヒットとなった『インサイド・ヘッド2』(53.6億円)をはじめ、『デッドプール&ウルヴァリン』『マッドマックス:フュリオサ』がそれぞれ20億円、10億円を超えるヒット、社会的物議を醸した『オッペンハイマー』の15億円超えヒットなど、洋画復興への兆しが見えた。

インサイド・ヘッド2
『インサイド・ヘッド2』©2024 Disney. All Rights Reserved.

一方で『デューン 砂の惑星PART2』『猿の惑星/キングダム』など期待された大作シリーズの多くが伸び悩んでもいる。

大作シリーズが伸び悩む洋画

映画ジャーナリストの大高宏雄氏は、『ツイスターズ』『ビートルジュース ビートルジュース』を、作品クオリティに反してとくに数字が上がらなかった作品として挙げ、その背景をこう語る。

「洋画は、相変わらず突破口が見えないのですが、作品ごとの中身でみれば、充実していた年だと思います。ハリウッドのメジャースタジオは、IMAXをはじめとして大型スクリーン対応のエンタメ大作を作り続ける方向性に変わりはありません。

加えて、今年は起伏のある物語をもつ作品も増え、それが全体的なクオリティの向上に寄与したと感じます。ところが、このおもしろさが日本ではなかなか伝わりにくい。とくに先の2本は、1作目から随分と年月が経っています。何とか5億円は超えた『グラディエーターⅡ 英雄を呼ぶ声』も同様です。

若い世代からすると、おもしろい、おもしろくないといった以前に、関心の度合いが高まらないのです。この点は、客層が広がらない今の洋画の問題と深く関わると考えます」

また、大高氏は、本国アメリカで酷評され、興行的惨敗となった『ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ』が、日本では12億円ほどのヒットとなり、好意的に受け入れられたことを、世界でも特別とされる日本映画市場の特徴のひとつと指摘する。

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