ところがすぐ後の11月26日になって、トランプさんはご自身のSNS「トゥルース・ソーシャル」で、「中国とカナダ、メキシコに追加関税だ!」とぶち上げている。おいおいおい、アンタはいったいどっちにしたいんだ。そこはもちろん両にらみであって、支持者を喜ばせると同時に、経済を壊したくもないのである。
この「トランプ構文」がわかってくると、「またトラ」リスクがあんまり怖くなくなる。それこそ「アニマル・スピリッツ」に代えてしまうことができる。外側から見ると怖いけれども、内側の人たちはそんなに恐れていない。何しろ彼らは、第1期トランプ政権をたっぷりと堪能しているのだから。
やっぱり気になる中国経済の元気のなさ
来年の世界経済見通しに話を戻そう。
2025年に気になるのは中国経済の元気のなさだ。成長率は高いのだが、政府目標の5%には届かない。IMFのエコノミストたちが、「オタクは無理ですよねえ」と言っているかのようだ。それだけではない。WEOデータベースの最新版を使って米中の名目GDPを比較するとこんな風になっている。
不動産問題で中国はデフレ気味になっていて、21年から名目の伸びがほとんど止まっている。いやもう、他人のことならよくわかるけれども、デフレってつくづく怖い。世界経済に占める中国のシェアがなんと低下しているのだ。
この間にアメリカ経済は盛大に規模が拡大し、世界シェアも微増している。
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