この調子でいくと、以前によく言われた「ドル建てGDPの米中逆転」は当分なさそうだ。ちなみにIMFは2029年までの予測値を出していて、その時点のアメリカ経済は35.5兆ドル(シェア25.4%)、中国経済は24.6兆ドル(シェア17.6%)となっている。習近平さんには悪いけれども、「建国100周年の2049年に中国は世界一の強国となる」という夢は、おそらく果たされることはないだろう。
いかにここ2~3年で、米中経済に差がついたかということだ。そして来年夏頃には、「第2次米中貿易戦争」が始まるだろう。アメリカは「アニマル・スピリッツ」、中国は「国進民退」である。どっちが有利であるかは、言うまでもないだろう。
2025年の日本経済はやっぱり「小吉」程度?
最後に日本経済について簡単に触れておく。
2024年の成長率が0.3%と下方修正されていることが気になるが、これは2024年1~3月期のマイナス成長――ほとんどが能登地震と自動車不正認証問題の余波である――の影響を受けたから。IMFは暦年ベースだから2024年の発射台が低くなったが、年度ベースで考えると内閣府の見通しが2024年度+0.7%、2025年度が+1.2%とまあまあの水準となる。
そこは心配ご無用だとして、2025年の日本経済を考えるポイントはほかにある。その辺はまた次回に論じてみたい(本編はここで終了です。この後は競馬好きの筆者が週末のレースを予想するコーナーです。あらかじめご了承ください)。
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