塩田潮 9月27日の自民党総裁選で石破茂氏が勝利し、新体制で幹事長に就任しました。
森山裕 私自身が一番驚いています。全然、予想もしていませんでした。私は党内でわずか8人の政策集団(派閥)の会長でしたし、当選の回数も多く重ねているわけではありません。安倍晋三内閣と菅義偉内閣の時代に自民党の国会対策委員長を長くやらせていただいた後、岸田文雄内閣で党の選挙対策委員長を務めました。
衆議院の小選挙区の「10増10減」の区割りの変更と、それに伴う候補者調整が最大の課題でしたが、何とか収めることができました。その後、総務会長が1年間で、今回、幹事長ということです。私ごときが自民党幹事長に、というのは、自民党が変わりつつあることの一番の証左ではないかと思います。
塩田 以前に、もし将来、幹事長になったら、と考えたことはありませんでしたか。
森山 そんな大それたこと、考えたこともないです。
「裏金」議員らにヒアリング
塩田 石破総裁から直接、幹事長に、という話があったのですか。
森山 はい、石破総裁から話がありました。
塩田 石破さんは、自分が総裁になれば森山幹事長で、という考えだったと思いますか。
森山 正直に申し上げると、それらしきことは、聞こえてきて、耳に入っていました。でも、総裁選のとき、私は先頭に立って石破さんを応援していたわけではありません。当時は総務会長という立場でしたから、誰を、ということでもありませんでした。
塩田 現在の政治状況を踏まえて、自民党幹事長はどういう役割、使命を負っていると考えていますか。
森山 自民党が政治資金の不記載問題で国民からご批判を受けています。けじめをつけ、国民の皆さんの信頼を回復しなければ、というのは、総務会長のときからずっと考えてきました。不記載問題の当事者である議員の人たちに個別ヒアリングを行い、一定のけじめをつけてきたつもりでいたのですが、やはり国民の批判は強かった。
裏金とか脱税とか言われました。まったくそういうことではないのですが、それが固定化してしまい、自民党の不信につながっています。不信という点は、まったくそのとおりだなと思います。われわれ、政党として、国民にどう説明をしていかなければならないのかという点では、非常に大きな教訓を得たと思います。
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