そのため、ウールを洗濯する場合は、“水に濡れたら揉まない”のが鉄則です。標準コースなどで洗濯槽が勢いよく回ると、中でウールが揉まれ、フェルト化を起こして縮んでしまうので、この絵表示のように、手洗いマーク(一番右の絵表示)が表示されているのです。
水の中で揉まないように手で押すようにして洗う「押し洗い」をするか、洗濯機を使う場合は洗濯槽がほとんど動かないコース(ソフト・手洗い・ドライ・おうちクリーニングなど)を選んで洗う必要があります。
ウールの洗濯では中性洗剤を使う
また、ウールのようにタンパク質でできた繊維はアルカリで溶けてしまうため、弱アルカリ性の洗剤ではなく、中性洗剤を使う必要があります。
これらのことから、①ハードや②ミディアムのような洗い方ではウールのニットは洗えません。洗濯をするのであれば③ソフトの洗い方を選ぶことになります。
■綿や麻のニットの場合
では、 素材が綿や麻のニットであればどうでしょうか?
綿や麻など植物からできた素材は、水には強いのですが、繊維が折れやすい特徴があります。そのため、脱水のときに折れたり、洗濯でスレたりすることで、繊維がささくれ立つ「フィブリル化」を起こしやすいです。
フィブリル化を起こすと、ささくれ立った繊維表面の毛羽によって服の色が白っぽくなり、色物は色がボケた印象になってしまいます。
素材的には、白物であれば①ハード、色物であれば②のミディアムに当てはまるのですが、フィブリル化による繊維のささくれや、ニットという編み物の性質上、伸びて形が崩れるのを回避するために、絵表示では手洗いまたは、弱水流での洗濯機洗いになります。そうすると、水に強い綿や麻素材であっても③ソフトで洗うという選択肢になります。
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