貧困国ドミニカで「野球選手」夢見る少年の"悲哀" インスタに「お金の絵文字」が書かれているワケ

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私は当時の自分を恥じた。と同時に、両親への恩返しの夢を語る彼らに、敬意を抱いた。どんなに経済的に貧しくても持っている、唯一の資本である身体を通じて彼らはお金を稼ぐ強い意志を持っているのだ。

メジャーリーガーになることが唯一の勝ち筋

それでは、どのくらいの確率でメジャーリーガーになれるのだろうか。関係者に聞いたところ、「各アカデミーの各年代に、1人くらい」という話だった。

16歳くらいで150km近くを投げる選手たちがゴロゴロいる中で、メジャーリーガーになれるのは、ほんの一握りなのだ。

そのような過酷な世界だからこそ、契約内容に引退後の大学の資金を出してくれるケースもある。

ただ、どれだけの選手たちがアカデミックな方向に進むことができるのだろうか。彼らは今までの人生でそこまで、学習に対して注力してきたことがないのだ。ドミニカは日本と比べて教育水準が高くないし、実際、私が共に過ごしていた現地の選手たちは土日しか学校に通っていなかった。

ドミニカの風景
とにかくゴミが散乱しているドミニカの光景(左)。この国から、多くのメジャーリーガーが誕生しているが、貧困が原動力になっているのは間違いない/筆者撮影

そんな環境ゆえに、マイナー契約を結んだことが、人生にとって最も輝かしい時期になってしまう人も少なくない。メジャーリーガーになって大金を稼ぐことが彼らの唯一の勝ち筋なのだ。

ドミニカで知り合った選手たちのフォロワーを辿っていくと、"自分がマイナー契約をした"ということだけが人生を推進させてくれている材料になっている人は少なくない。

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