貧困国ドミニカで「野球選手」夢見る少年の"悲哀" インスタに「お金の絵文字」が書かれているワケ
ただ、予想を裏切られた私としては、「野球がうまければ、たとえまだ少年であっても、豊かに生活できる国なんだな」と思ったのだった。
とは言え、貧困は紛れもない事実だ
アカデミーによって、規模感やレベル感に差はある。ただ、どんなアカデミーでも、選手たちに共通していることがあった。それは、「マイナー契約を果たして、契約金を獲得する。そして、メジャー昇格を果たして、メジャーリーガーになる」という、夢を持っていることだった。
ドミニカの国民は一般的に豊かではない。私が首都のロープウェーに乗っている時に、街を上から見下ろすことができた。そこには、文字通りボロボロの家が乱立していた。
ロープウェーの道中では、小学生くらいの男の子がハロウィーンのような仮装をしてお金を求めてくることもあった。お菓子を求めてくるのであればかわいいのに、彼らは常にお金を求めていた。
この国の1人当たりGDPは、1万111ドル(2022年/外務省HPより)。一方で、日本の2022年の1人当たりのGDPは3万4064ドル。これは円安の影響を大きく受けた金額で、前年だと4万34ドルだ。
だから、私が頭の中で思い描いていたドミニカは、「1000円で豪勢な食事ができる場所」だった。しかし、実際に現地を訪れてみると、物価は想像の何倍も高かった。むしろ日本とそこまで変わらないくらいだった。
そんな毎日の食事にも困る開発途上国でも、そこに生まれた子どもたちは生活していく必要がある。そんな子どもたちが何に夢を見出すか。それは、メジャーリーグだった。
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