貧困国ドミニカで「野球選手」夢見る少年の"悲哀" インスタに「お金の絵文字」が書かれているワケ
そこでは、日本の野球ファンが想像するようなハングリーさは養われにくい。ドミニカで下部組織の、アカデミーに所属していた経験を持つ人から、こんなことを聞いたことがある。
「ハングリー精神なんてまったくない。綺麗なグラウンドで野球に打ち込み、ご飯は食べ放題。ユニフォームは洗濯される。道具だって支給されるし、契約金が数億円の選手もいる」
さらに下のアカデミーも、環境は整っていた
一方で、私がドミニカで滞在したのは、2つ目のメジャー球団の下部組織を目指すアカデミー。つまり、マイナー契約を目指すアカデミーだ。
「アメリカ資本ではなく、あくまでも現地資本のアカデミー。マイナー契約を目指すアカデミーなんだから、貧乏暮らしなんだろう。ボロボロの布みたいなグローブでプレーしていて……」
そんなふうに思う読者もいるかもしれないが、実態は違っていた。むしろ、強豪の下部組織を目指すアカデミーに所属している選手たちでも、すでに食事や野球道具など、野球に必要なものはすべて支給されていたのだ。むしろ、私よりも良い道具を使っている選手も少なくなかった。
もちろん、彼らの中には貧困さゆえ、道具を自分で購入できない人もいるので、比べるのはおかしい。
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