韓国の戒厳令が韓米の同盟関係に与える試練 尹大統領の外交成果に影響、弾劾訴追案も提出

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戒厳令が宣布されたことを伝える新聞号外(写真・ソウル新聞)

2024年12月3日に韓国の尹錫悦大統領が宣布した戒厳令は、同盟国であるアメリカにも事前に通報されていなかった。これによる影響がすでに生じている。

アメリカが予定していた安全保障上の拡大抑止に関連する会議をキャンセルした。アメリカが政権交代を迎えようとする時期に起きた今回の事態が、韓米同盟に少なくはない影響を与えそうだ。

12月4日に尹大統領自ら宣布した戒厳令を正式に解除すると、アメリカ大統領府の国家安全保障会議の報道官は「尹大統領が憂慮すべき戒厳令を宣布したことについて、自らの方針を変えて国会の票決を尊重したことに対して安堵した」と明らかにした。

これに先立ち、アメリカ大統領府は「アメリカは戒厳令宣布を事前に聞くことはなかった」と当惑しているような反応を見せていた。

合同軍事訓練などが延期に

韓国の戒厳令の宣布・解除が行われた中、北朝鮮に対応するための韓米合同訓練にも支障が生じている。

アメリカ国防総省報道官は、韓国とアメリカが12月4〜5日にワシントンDCで開催されることになっていた第4回韓米核協議グループ(NCG)会議と、第1回NCG図上演習(TTX)が延期されたことを明らかにした。延期の理由について、具体的な言及はされていない。

NCGは2023年4月、尹大統領がアメリカを国賓訪問した際に合意されたものだ。拡大抑止の実効力を強化するための、韓米間の協議体だ。同年7月に1回目の会議を行って公式的に始められたが、尹大統領とアメリカのバイデン大統領が北朝鮮に対する抑止力を強化するために合意した最大の外交的成果の1つとされている。

韓国・国防省は第4回NCG会議と第1回NCG・TTXは順延され、韓米は適切な時期に開催すると発表した。韓国側の代表である国防省のチョ・チャンネ国防政策室長は、すでに会議に出席するためアメリカに到着した状況だった。

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