石破政権発足2カ月、危機打開のカギは"原点回帰" 「謙虚な姿勢」で国民民主取り込みに腐心

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

さらに政府与党は、国民の大多数が注目している「政治と金」問題への対応でも、各党の主張が異なる「企業・団体献金」の禁止や規制などを切り離して、「政策活動費廃止」「旧文通費の使途公開と残額の国庫返還」などでの政治資金規正法再改正を法案化し、会期内の成立を狙う構えだが、今後の与野党協議は難航が予想される。

多くの国民は石破首相の「原点回帰」に期待するが…

そうした中、各メディアなどが相次いで実施した最新の世論調査をみると、内閣支持率の低迷状況に大きな変化はないものの、石破首相の早期退陣を求める声は少数派だ。これに対し「政局混乱が拡大すれば、デフレ経済からの脱却も含めた経済回復の動きを阻害し、結果的に国民生活が苦しくなるとの危機感が背景にある」(有力アナリスト)との見方が広がる。

そうした石破首相への期待と後押しには、「石破首相が過去の総裁選などで提起してきた『自民党の体質批判』を、今こそ具体化してほしいという願いの表れ」(政治ジャーナリスト)との見方が広がる。確かに、9月の総裁選や衆院選前の各党党首討論などでの石破氏の主張は、旧来の自民党政治の在り方を批判する内容が多かったことは間違いないからだ。

要するに、「多くの国民が石破首相に求めているのは、まさに自らの『原点回帰』」(同)というわけだが、臨時国会のこれまでの首相答弁では「自民党内の反石破勢力への配慮や忖度ばかりが目立つ」(自民長老)のは否定しようがない。石破政権が誕生してすでに2カ月余が経過しており、「早期に国民の声にこたえるための“変身”に踏み切ることができなければ、年明け以降も“じり貧”が続き、政権危機が拡大するだけ」(同)との厳しい声も少なくない。

泉 宏 政治ジャーナリスト

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

いずみ ひろし / Hiroshi Izumi

1947年生まれ。時事通信社政治部記者として田中角栄首相の総理番で取材活動を始めて以来40年以上、永田町・霞が関で政治を見続けている。時事通信社政治部長、同社取締役編集担当を経て2009年から現職。幼少時から都心部に住み、半世紀以上も国会周辺を徘徊してきた。「生涯一記者」がモットー。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
政治・経済の人気記事