ディズニーで進む「デジタル音痴の排除」の真因 資本主義の加速で「機械が人を選ぶ」時代に?

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都市がこのようになっているのだから、一企業であるオリエンタルランドがそうなっていくのも当然の流れではある。

資本主義が加速すれば、消費の在り方も変わるし、消費者の受け入れ方も変わるということだ。

デジタル技術は平等を作るのではなく、「人々の選別」を行う

さらに「デジタル技術による客層の選択」もしばしば見られる現象だ。

ライター・編集者の速水健朗は、自身のポッドキャスト『これはニュースではない』にて、日本橋に誕生した「カミサリー」というフードコートはキャッシュレス決済オンリーになっており、こうすることによって、ひっそりとそこに来る客層を選択していると指摘している。

速水は、本来人々を平等にするはずだったテクノロジーがむしろ、人々を選別する機能を果たしていることに注意を向ける。

確かに、テクノロジーは本来、何かができない人を補助する役割だったはずだ。インターネットは世界のどこにいても同じ情報が手に入るツールで、その意味では世界の格差を無くすツールだった。だが、それがいまや、人々を「選択」するツールになっている。

むろん、それぞれの店舗がこうした方向を取ることは批判すべきことではない。それは、店舗ごとの経営だからだ。

ただ、実はこうした些細な部分に、人々の格差が生まれていることは注目すべきだろう。

キャッシュレスオンリーになっている場所は、だんだんと増えてきている。しかし、その裏には、ディズニーランドにも見られる「静かな排除」があるのだ。

筆者はフィールドワークを通じて、今の東京について論じてきた。そこでは「貧乏な日本人の排除」が起きているが、他方では「デジタル音痴な人の排除」も進んでいるのだ(筆者撮影) 
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