ディズニーで進む「デジタル音痴の排除」の真因 資本主義の加速で「機械が人を選ぶ」時代に?

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「客層の選択」がディズニーにもたらす影響は?

株価が下がっているとはいえ、オリエンタルランドの2024年3月期決算では、売り上げ、利益共に過去最高額を叩き出している。また、2025年3月期の中間決算で、前年同期比で最終利益が減少していることについても、下半期で挽回していく可能性も十分に残されているだろう。

『ドンキにはなぜペンギンがいるのか』書影
『ドンキにはなぜペンギンがいるのか』(集英社新書)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

実際、同社はたくさんの入園者を入れて「量」を取る方向から、少ない来園者の消費額を増加させて「質」を取る方向へ舵を切ることを明言している。

この流れの中で、チケットの値上げやIT化が進められてきているわけで、決算を見る限り、その戦略は成功しているように思える。

しかし、今回見てきたように株価が下がっていることを見ると、こうした政策はそれ以上の影響をオリエンタルランドにもたらしてしまうかもしれない、とも思える。資本主義が行き過ぎた結果、「夢の国」から夢が完全に失われてしまったとしたら……。

今後の説明会で、どのような方向が示されるのか。これまで以上に顧客の選択を行うのか、あるいは異なるビジョンが示されるのか。注目したい。

谷頭 和希 都市ジャーナリスト・チェーンストア研究家

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たにがしら・かずき / Kazuki Tanigashira

都市ジャーナリスト・チェーンストア研究家。1997年生まれ。早稲田大学文化構想学部卒業、早稲田大学教育学術院国語教育専攻修士課程修了。「ゲンロン 佐々木敦 批評再生塾 第三期」に参加し宇川直宏賞を受賞。著作に『ドンキにはなぜペンギンがいるのか』 (集英社新書)、『ブックオフから考える 「なんとなく」から生まれた文化のインフラ』(青弓社)がある。テレビ・動画出演は『ABEMA Prime』『めざまし8』など。

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