米国で新型iPhoneはどう評価されているのか アップルがついにタブーを破った?

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だが人々の期待に応えるという課題はだんだん難しくなりつつある。直近の四半期では売り上げ高が496億ドル、純利益が107億ドル、iPhoneの売り上げ高は前年比59%増だった。それでもウォール街の期待値には届かず、アップルの株価は業績発表の翌日に4%下落した。

今年のクリスマス商戦にアップルはiPhone 6S/6S Plusで臨む。進化した12メガピクセルのカメラや新機能「3Dタッチ」が備わっている新製品だ。

新しいiPhoneはディスプレイに加わった圧力の大きさを感知して、各種メニューや情報へのアクセスをより簡単にする。入力に対して触感フィードバックをする機能もある。感圧タッチスクリーンはすでにApple Watchと新しいMacBookのトラックパッドにも採用されている。

本体色にはローズゴールドが加わる。フロントガラスは業界最強だという。指紋認証センサーも強化された。そしてモバイルOS最新のiOS 9を搭載する。

消費者の家庭内戦略も

9日の発表会でアップルはその他の製品についても強力に売り込んだ。マイクロソフト、サムスン、グーグルなどと争って、ネット接続した家庭用娯楽システムの中心的存在になりたいからだ。

「革新者として定評あるアップルだが、既存のものを改善し活用することが肝心だ」と調査会社ガートナーのトゥオン・フイ・グウェンは指摘する。「名シェフは人と同じ食材を使ってよりよい料理を生み出す」

iPadの進化を見ると、昨年iPhoneの画面拡大に踏み切った判断を思い出す。やはり多くの人にそれはないだろうと言われるような動きだったのだ。

ティム・クックCEOは新しいiPad Proをアップル史上「最高の性能をもつ」タブレットだと語る。画面は拡大し、オプションでキーボードが付き、コンテンツの作成にも使用にも便利なデバイスになるという。

「新しいキーボード、画面を拡大したiPad、高速化したプロセッサというのは納得が行く」とサンフォード・C・バーンスティーンのトニ・サコナギも言う。「パソコンの代わりにiPadをというメッセージだ。タブレットとノートを合わせた計算能力が高いデバイス」。

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