現時点では、介護しか仕事がない、と言われる。だが、今後は日本全体で見て、介護は専門職を除けば、もっとも安定して、相対的に給与水準も高い、就職希望者の多い産業となるだろう。大都市には介護の仕事はなく、地方にはある。仕事のために地方に移住する、そういう時代が来る。
医療と介護、この二つの分野は、もっと専門的な議論ができる人々に教えてもらって、私も今後ともずっと勉強していきたい。
教育が充実すれば人は離れず、集まるインセンティブに
さて、教育である。
教育の何が素晴らしいか。教育はほとんどすべての人にとって最重要であると同時に、一定数の人にとっては、居住地を決める最重要要素であるからだ。地域の教育が充実すれば、その地域を出ていくインセンティブが減る。他の地域から来るインセンティブが生まれる。
自然に恵まれ、素晴らしく伸び伸びとした教育の小学校。同じく中学校。地元に居続けることは素晴らしいし、育児もしやすい。そして、環境に惹かれて、大都市部からも、その地域に縁のある家族が戻ってくる可能性もある。仕事がない、と思うかもしれないが、教育産業とは、人により成り立っている。
田舎に塾がないのは、生徒がいないからではなく、教える人がいないからだ。生徒は必ず一定数住んでいる。しかし、塾の先生になるような層の人々がいないだけだ。だから、大都市と比較して、地元、あるいは縁のある地域を選んだ親たちは、教師、あるいは学校・教育産業で働くことができる。地域の教育環境も持続可能となる。
政策的には、地域の小中学校には徹底的に処遇を良くする。教師は不足していても、教師以外の事務担当、文部科学省などの行政対応担当、課外活動指導担当などの人材を雇う資金を国が大々的に支援すれば、人材は一定程度得られる。その中で、教師は、授業を中心として徹底して子供と直接学び合う時間を十分とれるようになる。さらに詳しいことは、次の機会に。
高校・高等専門学校・大学も、その地域がある県内の都市部に存在している国公立学校が充実していれば、出ていく理由はない。地元と連携していれば、自分の活躍機会は地元の高等教育機関での教育機会によりさらに強化される。他の地域を経験したい、行きたい学生はもちろんそちらに行けばよい。
その時、出身地方の高等専門学校・大学・大学院は、戻ってくるための、地元の仲間との再結集をする「場」になる。インフラになる。そこで学び直し、あるいは、経験を後輩に伝え、アドバイスし、さらには教師として教育することもできる。
地元という軸があるというのは、根なしの都会の流行語にまみれた意識高い系の人々の流行に支配された、短命のビジネスモデルの企業、産業に負けないどころか、持続性においては、圧倒的優位性を持つ。その軸を中心に、流行のスパイスが必要なら加えればいいだけのことだ。
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