子どもが適性をみつけられるよう親がすべきこと 親が子に先んじて努力しなければいけない

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ひょっとすると、「ボランティアは純粋な気持ちでやるものだ。見返りや利益を得るなら、それはボランティアと言えるのか?」と思う人もいるかもしれない。しかし、他人を思いやる生き方が、純粋な気持ちだけで可能なのだろうか。

アメリカでは体系的な報奨制度があり、ボランティアをしたらその恩恵を得られるのが当然になっている。報酬を受け取るのを恥じたり、利益を得ると動機の純粋さが損なわれると心配したりする声は聞かれない。

このように、アメリカは長い経験と歴史を通して、社会全体に体系的なシステムを構築し、ボランティアに参加する市民を生み出した。教育と報奨で自由民主主義の市民を作り上げているのである。

温かく思いやりのある子どもに育てる

ボランティアの真の意味を知ってから、私は三女のヘソンに幼いうちからボランティアに参加させ、高い品性を育てようと思った。それにはヘソンが好きな分野から始めるのがいいと思ってあれこれ探していたところ、近所にある馬牧場を思いついた。

ヘソンはケンタッキー州で生まれたからか、馬が大好きだった。その牧場では一定時間ボランティアをすると、無料で乗馬の授業を受けられる。この特典は動物好きのヘソンにはぴったりだった。

そうやってヘソンは、大学に行くまで1000時間以上もボランティアをした。この経験を通じて、ヘソンは温かく思いやりのある子どもに育っていった。

娘たちのテレビ視聴は週2時間と決めていた。このように制限した理由は、テレビの特性を考えてのことだ。ふだんは気づかないが、テレビはわずか1分間に約30回も画面が切り替わっている。そのため、じっとテレビを見ていると、画面に現れるメッセージを無意識に受け入れるようになるのだ。

次々画面が切り替わるのに慣れてしまうと、じっくりと本を読んでいるのが退屈に感じられ、本よりもテレビに心を奪われてしまう。また、その刺激的なイメージのせいで、テレビを見たあとで勉強をしようとしても、集中するまでに時間がかかる。こういった理由で、テレビを子どもから遠ざけることは不可欠だった。

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