子どもが適性をみつけられるよう親がすべきこと 親が子に先んじて努力しなければいけない
この見識は一朝一夕に身につくものではない。たくさん本を読み、変化を察知し、子どものことを心から気にかけることで得られるのだ。
才能よりも品性を育てる
子どもの才能を見出すためにまず頭に思い浮かんだのは、子どもの品性の教育だ。アメリカにいると、地域ボランティア活動という言葉を自然と何度も聞くようになる。特に私たち家族は、日常的にこの言葉と強いつながりを持っていた。
アメリカに到着した私たちが英語を学ぶため噂を頼りに見つけた先生は、80歳近くのおじいさんで、元大学教授だった。週に一度、わが家に来て2時間ずつ個人レッスンしてもらった。このレッスンは一種の地域ボランティアだったが、時間もきちんと守って、本当に真面目に教えてくれた。そんな姿を見ながら、「自分だったら、退職後もこのようにボランティアができるだろうか?」と考えた。
このように、アメリカは社会の隅々までボランティア活動が盛んで、日常生活のなかでふつうに見かける。アメリカに移住したばかりの頃に私を手助けしてくれた上の世代の韓国人移民たちは、人のために献身する習慣が身についている。彼らはボランティアを市民の責任であり、義務だと考えていた。
アメリカの子どもたちは親や祖父母にならって、当たり前のようにボランティア活動に参加する。子どもたちは初めから他人を助けたいと思って始めるのではなく、最初は親について学んでいくのだ。そして活動の場で褒められ、ちょっとしたおやつやおもちゃなどをもらいながら、ボランティアの醍醐味を知っていく。
幼い頃からボランティアに参加してきた子どもたちは、ボランティア精神が品性の土台となっている場合が多い。高い品性を持って生まれるというより、ボランティアをしながら他人を思いやる人間になっていくのだ。
1つ注目すべきは、ボランティアに対する報奨システムがしっかりしている点だ。大学入試や就職、昇進にもいい影響を与える。
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