エンジン音については、4気筒から3気筒になったことなどで違和感を覚えるAE86ファンもいるかもしれないが、AE86を内燃機関モデルとして持続可能にするには、許容するべきことだろう。
まるでエンジン車に乗っている感覚になる
次にAE86 BEV Conceptだ。駆動用モーターは、北米向けフルサイズピックアップトラック「タンドラ ハイブリッド」のものを使う。最大出力95kW、最大トルク150Nmというスペックは、オリジナルの4A-Gに合わせたものだ。
トランスミッションミッションは「GR86」用、さらに電池パック(18.1kWh)、インバーターなどの制御関連パーツは、レクサス「NX」用を流用している。
このスペックを見て、多くの人は「BEVなのにマニュアルトランスミッションであること」に興味を持つだろう。
実際に走行してみると、最初は「なんとも不思議な感覚」であったが、やがてBEVに乗っていることをすっかり忘れてしまった。
BEVのため当然、エンジンの振動はない。だが、車内後方のスピーカーから4A-G型エンジンサウンドが、控えめな音量で流れてくる。
気になるマニュアルトランスミッションは、クラッチ操作でしっかりつながる。しかも、クラッチミートに失敗すると、なんと「エンスト」するのだ。タコメーターの針がストンと落ちる。
もちろん、BEVにエンストという概念は存在せず、これはあくまでもギミック。イグニッションスイッチでシステムを再始動させる必要はなく、再びクラッチを踏み込めばモーターは内燃機関のアイドリング状態のように立ち上がる。
坂道発進でも同じように、1速でサイドブレーキを操作して走らせるようになっている。ただし、開発者によれば2速での坂道発進も可能だという。
また、モーターの出力とトルクとドライバーが「シフトアップしたくなる」ようにセッティングしてあるので、まるでエンジン車のような感覚でシフト操作するようになるのだ。
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