トヨタ、AE86「新エンジン&BEV」で事業化の本気 「ハチロクの楽しさ」をこの先に残すための提案

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実用化に向けてまず着手したのが、「ユーザーに乗ってもらい、ユーザーの声を聞くこと」だった。

そこで、AE86 G16E Conceptとあわせて、トヨタ直系のサブスクリプションサービスであるKINTOの旧車レンタルサービス「Vintage Club by KINTO」でレンタルを実施。

2024年10月27日から12月20日までの期間限定プログラムで、料金は3時間2万円と安くはないものの、応募が殺到して抽選の倍率は10倍以上に達したという。

筆者は、この期間限定プログラムの初日に、実施地である東京都江東区内のトヨタモビリティ東京・GR Garage東京深川で、ユーザーがAE86 BEV Conceptに乗る様子を取材している。今回は同じ場所で、実際に2台のハンドルを握り公道試乗ができたというわけだ。

期間限定プログラム実施時、GR Garage東京深川から出発するユーザー(筆者撮影)
期間限定プログラム実施時、GR Garage東京深川から出発するユーザー(筆者撮影)

それにしても、トヨタはなぜAE86を選んだのだろうか。

その問いに対して当該プロジェクトの開発担当者は、「特に車種を限定するつもりはない」としたうえで、「旧車で人気が高く、事業として成立する可能性が高いモデルとしてまずはAE86を選んだ」という回答だった。つまり、「事業化ありき」の発想なのだ。

AE86の長所を維持すること

では、2台のAE86コンセプトのスペックを詳しく紹介しよう。まずはエンジン車のほうから。「AE86 G16E Concept」のポイントは大きく3点ある。

1点目は、部品などが枯渇していく4A-G型エンジン(AE86搭載エンジン)への対応。2点目は、最新エンジンへの換装による「故障リスク低減」「クリーンで省燃費な環境性能」、カーボンニュートラル燃料やアルコール混合燃料をはじめとした「代替燃料への対応のしやすさ」。

「GRヤリス」搭載エンジンを加工してG16EをAE86に搭載。3気筒ゆえにエンジンがコンパクトだ(筆者撮影)
「GRヤリス」搭載エンジンを加工してG16EをAE86に搭載。3気筒ゆえにエンジンがコンパクトだ(筆者撮影)

そして3点目が、「AE86の長所を維持すること」。つまり、4A-Gと同等のユニット質量によって、AE86の特徴である“クルマの軽さ”を維持することである。

そこで選ばれたエンジンが、GRヤリスに搭載する1.6リッター直列3気筒ターボからターボチャージャーを外したG16E型エンジンだ。

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