「さらばスーパーカブ50」原チャリは消えゆくのか 電動アシスト自転車と原付2種の狭間で
従来の原付き1種、「50」のバイクを新基準の排ガス規制に対応させるためには多額の開発費用がかかり、事業性が見込めない。
そのため、バイク業界は「50」の代替えとして現行の「原付き2種」のバイク「110」、もしくは「125」をベースにした「新基準原付き」の製品を、「原付き1種」に加えることを国に要望してきた。
新基準原付きバイクはエンジンを制御するシステムのプログラムを書き換え、従来の原付き1種同等のパワーに抑える。
だが、前出の大屋さんは「『新基準原付き』が従来の原付き1種の代替になるのか」は疑問視する。
最大の理由は販売価格の上昇だ。たとえば、現行のスーパーカブ50は24万7500円で、スーパーカブ110は30万2500円。新基準原付きはこの価格から1割程度アップした33万円前後になると大屋さんは予想する。従来モデルと比較して約3割、価格が上がることになる。
「パワーが従来の原付き1種と変わらず値上がりするのであれば、原付き2種免許(小型限定普通二輪免許)を取得して原付き2種のバイクに乗り換えるか、電動アシスト自転車を選ぶ人がさらに増えるでしょう」(大屋さん、以下同)
「原チャリ」がなくなる序章
「『新基準原付き』の導入は、気軽な足として使われてきた原チャリがなくなる序章だと思います。これで50ccのバイクがなくなると思うと、寂しいです」
大屋さんは17歳のとき、自動車教習所に通う足として、原チャリを購入した思い出がある。
記者もさまざまなタイプの原チャリに乗ってきた。その最後がスーパーカブだった。
従来の原付き1種の歴史はこれで終わるのかもしれないが、バイクで走る楽しさは今後も変わらない。
(AERA dot.編集部・米倉昭仁)
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら