彼/彼女の皮膚感覚が熱かった時代を作った--『60年代のリアル』を書いた佐藤信氏(東京大学大学院法学政治学研究科修士課程在籍)に聞く

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──あなたを最若年ルーキーとして、20~30歳代が社会問題に積極的に発言を始めました。

学者として書ける、あるいは若くして書ける媒体があるという感覚はいつも持っている。それこそ、今では大物観がある東浩紀さんや宮台真司さんにしても、30歳代前半から世に出てきたのでは。決して最近の特異な現象だとは思わない。

傾向的なものがあるとすれば、デフォルトやロスジェネを前提にしている人たちが目立つ。それに政治を除外して議論する。僕の専門に近い高坂正堯、永井陽之助、坂本義和先生のように、若くして60年代の雰囲気からずれて、厳しい言説に打ち込んできた諸先生が過去にはいた。

──厳しい言説?

60年代を見るにしても、単純にそこに寄り添うだけではなくて、今まで取り除かれていた部分から、まったく違うものを見いだしていくのが自分としてやりたかったこと。60年代は雑誌が、活字が元気だった。議論する雰囲気があった。ネットは議論を深めてはくれない。言葉の、中でも活字の力を今も信じている。

さとう・しん
1988年奈良県生まれ。2011年東京大学法学部卒業。東大大学院に進学。学部2年から東大先端科学技術研究センター学内共同研究員を続け、オーラルヒストリー研究を手掛ける。このほかの著書に『鈴木茂三郎 1893−1970 統一日本社会党初代委員長の生涯』(11年、藤原書店)がある。

(聞き手:塚田紀史 撮影:梅谷秀司 =週刊東洋経済2012年1月14日号)

記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。


『60年代のリアル』 ミネルヴァ書房 1890円 234ページ


  
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