「気配りできない人にイライラする人」の本質 美輪明宏さんが教える生きやすくなる考え方
こんな発想をすること自体、問題ですね。偏見を持っている人間に限って、世の中に偏見があるなんてことを夢にも思わない。
あなたは、世の中にいるのは自分ひとりだと思っていらっしゃる。自分本位なんです。この世の中は、それぞれみんな、いろんな生活の仕方で、明日のお金をどうしようとか、病気だとか、心ここにあらずの悩みを抱えている人もいらっしゃるでしょう。千変万化で、いろんな悩みがくるくる変わってきますしね。いろんな闘いがあるわけです。
老いも若きも、私生活の中で悩みのない人なんていません。自分の闘いで精一杯で、ほかのことに気を配っている暇はない。そういう人がいっぱいいて、この人はこういう生活をしているんだろう、悩みがおありになるんだろうと思っていれば、こういうことは言えないはずです。
仕事に人間性を持ち込んだらダメ
素直じゃないですね。あなたは、仕事と人間とをごっちゃに考えています。仕事のことだけをお考えになればいいんです。そこに人間が介在してくると、「あの人はうらやましい」「私のほうが頑張っているのに」となるんです。仕事に人間性を持ち込んじゃうまくいきません。
誰がどうとかじゃなく、仕事のことだけを考えれば、こうすれば売上げが上がるとか、仕事がはかどるとか、クールになれるんです。そこに自分の立場やプライドといった人間をチラつかせるから、嫉妬したり焦ったり、うらやましがったり、余計なものがいろいろ湧いてくるんです。
だから人間は念頭に入れないこと。そうするとスッキリしますよ。対人関係までうまくいくようになるんです。
親だって好んで貧しかったり、学歴がなかったりするわけじゃない。自分がそういう親のもとに生まれてきたということは、それだけいろんな因縁があるんです。
仏教の考え方で「輪廻転生」といって、生まれ変わり、死に変わりして、男になったり女になったり、無能になったり有能になったり、いろんな人間に生まれ変わるんです。そして、最後にはそういうものから全部切り離されたところで、お釈迦様みたいに一切の悩み、苦しみから解き放たれる、そういう人生に生まれ変わるんです。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら