「気配りできない人にイライラする人」の本質 美輪明宏さんが教える生きやすくなる考え方

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こういったことをお勉強なさると、「親ガチャ」という言葉がいかに下品で、いろんな事物を知らない人間が言う言葉だということがおわかりになると思います。言葉はあなたそのものです。下品な言葉を使っていると、その人の品性もそうなりますから、お気をつけください。

Q 「変わり者」と言われることが多く、人と違っていることに自信が持てない……

人と違ってなにが悪いのでしょう? みんな同じであることがまともだと思う、それこそがおかしいのです。

私の人生は常に闘いの連続でした。「男女の性別なんて関係ない」ということで有名になると、「女の腐ったのみたいだ」とか、いろいろと非難されてきました。そう言われたら自分を責めて、落ち込みますよね。

でも、私は「じゃあ、あんたはなんなの。どんな才能があるの? いくら稼いでんの? なにものでもないくせに!」という返す言葉を持っていたので、決してひるみませんでしたよ。

人間は、1人ひとりが違っていて当たり前でしょう。「変わっていて当たり前」だと思う。そういう基本を頭の中に入れておけば、少々のことでたじろがずに済むんです。

私は、目の前にいる人の容姿・容貌、年齢、性別、国籍、持っているもの、そういったものは一切見ません。その人の心、つまり魂が綺麗か、綺麗でないか、それだけを見るようにしていればいいんです。心や品性こそが重要なのですから。

一歩家の中に入れば問題はゴロゴロしている

隣の芝生は青いと言うように、同じ芝生でも隣のだけは緑が青々と見えるんです。なんの問題もなく幸せそうに見えるものです。でも、ほとんどの場合、一歩家の中に入れば問題はゴロゴロしています。

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この世には数えきれないぐらいの花があって、それぞれ違うわけでしょう。全部同じということはあり得ない。だから比べるほうがおかしい。自分と誰かを比べるというのは、全部同じだという錯覚を起こしているから。違うものは違うと初めから思っていると比べようがないんです。

着物の生地だっていろんなものがあります。羽二重もあれば縮緬もあるし、絣もある。どれが優れているかなんて言えないでしょう。「あの人には、あの人の人生。私には私の人生がある。世界が違うんだから」って、思えばいいんです。

美輪 明宏 歌手、俳優、演出家

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みわ あきひろ / Akihiro Miwa

1935年、長崎市生まれ。国立音楽大学附属高校中退。16歳でプロ歌手としてデビュー。銀座のシャンソン喫茶「銀巴里」を拠点にし、注目を集める。1957年に『メケ・メケ』、1966年に『ヨイトマケの唄』が大ヒットとなる。1967年、演劇実験室「天井桟敷」旗揚げ公演に参加、寺山修司の『毛皮のマリー』、三島由紀夫と組んだ『黒蜥蝪』ほか数多くの作品に出演。以後、演劇・リサイタル・テレビ・ラジオ・講演活動などで幅広く活動。1997年、舞台「双頭の鷲」で読売演劇大賞優秀賞を受賞。2018年、戦後の日本にジェンダーを超えた生き方を示したこと、長きにわたり舞台・映画・テレビ・講演・著作と多方面で夢と感動を与えてきたことなどから、東京都の「名誉都民」として顕彰される。『紫の履歴書』(水書坊)、『人生ノート』『ああ正負の法則』(共にパルコ出版)、『愛のモヤモヤ相談室』(大和書房)など著書多数。

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