「中国ビザ免除再開」久々の観光自由化への期待 中国を旅行する前に準備・知っておきたいことは?

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この中で狙い目は、1日最大3便あり、時間に融通の利く「上海行き」と、毎日行きが午前11:20着、帰りが12:20発と短い弾丸旅行でも現地滞在時間が比較的長くとれる「寧波行き」だ。

南宋や明の時代、貿易港として栄えた寧波には、市内に多くの寺院が残る。また、寧波から浙江省の省都である杭州へは鉄道で1時間程度と上海からよりもアクセスがよい。

なお、2025年1月以降はやや金額があがり、最も安い上海で3万4000円台となっている。観光へのハードルが下がれば、その分需要は高まり、航空券代も上昇するだろう。中国に「超格安」で行くためには、ビザ免除解禁直後の12月前半がおすすめといえそうだ。

治安の心配もあるが……

このところ、日本人学校を狙ったと思しき犯罪も含め、無差別の殺人・傷害が報道されている中国。ビザ免除解禁はよいが、治安を不安視する人もいるだろう。

こうしたときに一つの目安となるのが、国別の人口あたり殺人率である。国連薬物・犯罪事務所(UNODC)によれば、2022年の10万人あたりの殺人発生率で最も多いのは、南アフリカ共和国の45.53人。

次いでメキシコの26.11人、ブラジルの20.61人、ペルーの8.46人と中南米の国が続く。アメリカは6.38人、グアムは4.15人だった一方、アジアの国々では韓国は0.53人、中国は0.50人、日本は0.23人という水準だ。

これは、ギャング同士の抗争などによる死者も含んでいるため、そのまま旅行者のリスクに結びつくものではない。とはいえ、一般的なイメージとは乖離(かいり)があることも読み取れるのではないだろうか。日本が世界的に圧倒的に安全であることもわかるが、中国での殺人発生率はグアムの8分の1以下にとどまっているのも事実だ。

とはいえ、強い反日感情をもっている人が一定の割合で存在するのも事実だ。不用意に日本語を使わないほうがトラブルに巻き込まれるリスクは下げられる。

そのほか、軍事施設などを不用意に撮影することなどを避け、ごく一般的な旅行をしている限り、スパイ容疑で拘束されるといったトラブルを過度に心配する必要はないだろう。

また、中国旅行については、主要SNSが中国国内で利用できないことや、WeChatPay(微信支付)やAlipay(支付宝)をインストールしていないと、旅行しづらいという課題がある。

なお、格安スマホのahamoの海外データ通信を利用すれば、日本のスマホで問題なく、すべてのSNSを中国国内でも利用できる。ahamoユーザーでない場合は、VPN経由でアクセスする必要がある。WeChatPayやAlipayもアプリをダウンロードし、日本発行のクレジットカードと紐づければ、利用することができる。

中国の配車アプリといえば、DiDi(滴滴出行)がよく知られているが、Alipayと紐づけることで利用が可能となる。地図に関しては高徳地図というアプリの利用価値が高い。

コロナ前から長らく、中国から遠ざかっていた人も少なくないだろう。ビザ免除をきっかけとして、中国を訪れてみてはいかがだろうか。

橋賀 秀紀 トラベルジャーナリスト

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はしが・ひでき / Hideki Hashiga

東京都出身の50代。早稲田大学卒業。「3日休めれば海外」というルールを定め、ほぼ月1回の頻度で海外旅行に出かける。訪問国は131カ国。著書に『世界一周航空券バイブル』(イカロス出版)など。『週刊東洋経済』で「サラリーマン弾丸紀行」を連載した。Yahoo!ニュース エキスパート。記事の内容についてのお問い合わせ・取材の依頼などについてはこちらまで。

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