中国軍の「自信過剰」が生み出す巨大リスク 米軍をハワイまで後退させようとしている
米国は今なお世界で最大の軍事大国であり、最先端の軍備を投入して国際水域とされる中国沖での監視を続けている。
一方、中国は9月3日の抗日戦争勝利70年記念軍事パレードで、自国が誇る最先端兵器の一部を見せつけた。
ある米高官は、近年見られる中国の軍備増強を懸念してはいるものの、先の軍事パレードについては「ワシントンの誰もを過度に心配させるものではなかった」と語った。習主席は今月末に訪米する。
中国軍が自信過剰になっている可能性
軍事パレードでお披露目された兵器には、中国が独自に開発した対艦短距離弾道ミサイルDF‐21Dや数種類の大陸間弾道ミサイルのほか、グアムにある米軍基地を拠点とする艦艇の脅威となり、「グアムキラー」として知られる対艦中距離弾道ミサイルDF‐26も含まれていた。
また、南シナ海で中国が進める飛行場や港の建設は、東南アジア海域まで及ぶ地域に中国が力を誇示する一助となるだろう。
元中国海軍の少将である張召忠氏は今年、国営メディアで、台湾周辺における米国との対戦能力に関して「われわれは基本的に、第一列島線をすでに突破している」と主張。今後は「第二、第三列島線を突破する必要がある」とし、東アジアの他の地域のみならず、ハワイにまで及ぶ地域で米海軍に対抗できる可能性を示唆している。
ラジャラトナム国際研究院(シンガポール)の防衛問題専門家、リチャード・ビツィンガー氏は、軍事パレードで展示された兵器などに技術的な新しさは見られなかったとしたうえで、中国軍が自信過剰になっている可能性について懸念を示した。