広汽トヨタの年間販売台数は2年前の2022年に100万台を突破し、過去最高を記録した。だが、翌2023年から販売は減少に転じ、2024年に入って落ち込みが加速している。同社の2024年1月から10月までの販売台数は累計58万8000台と、前年同期比23.3%減少した。
苦戦の最大の要因は、中国自動車市場の急速なEVシフトへの対応が遅れたことだ。
「中国のEVブームは、ちょうど新型コロナウイルスが流行した期間に始まった。ところが、広汽トヨタは自動車産業の将来トレンドを見誤り、商機を逃してしまった」。文氏はそう率直に反省する。
新技術に対する考え方に落差
文氏によれば、外資系の合弁自動車メーカーと中国の新興EVメーカーの間には、新技術に対する考え方に大きな違いがある。
外資系メーカーは伝統的な製造業の常識にのっとり、新技術は無数のテストと手直しを経たうえでないと世に出せないと考える。これに対し、中国の新興メーカーの発想はインターネット企業に近い。自動運転システムやスマートコクピットなどの最新技術をクルマにいちはやく搭載し、絶え間ない改良を続けていけばよいという認識だという。
中国市場でEVやスマートカーが急速に普及している現状に鑑みれば、新興メーカーの考え方を中国の消費者が受け入れているのは明らかだ。見方を変えれば、外資系メーカーが(発想を一新して)中国のパートナーと共同開発したスマートカーは、中国市場のみならずグローバル市場で受け入れられる可能性を秘める。
(財新記者:翟少輝)
※原文の配信は11月14日
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