もちろん、今の国際連合が戦勝国、とりわけ西欧による支配の延長にあることも否めない。ただ、この限りにおいて戦後世界が機能していたわけであり、第3次世界大戦の発生は、この戦後の価値観をも破壊することになることは間違いない。
日本という国家体制もこの枠の中にあるのだ。日本国憲法は、第98条にこう謳っている。
NATO、ロシアが歩み寄ることが必要だ
確かにウクライナ戦争は戦後の価値規範である国際連合憲章を侵犯するロシアとそれを守るウクライナという構図で始められたといえる。
だからNATO諸国はロシアに対して断固とした処置をとっているのだが、その結果が全面戦争となれば、この憲章さえも葬り去られ、この価値規範そのものの有効性を議論する場所(国際連合)さえ、なくなるのである。
そうならないためには、歩み寄りがNATOとロシアの両側に求められる。一定の痛み分けで納得するしかない。それが実効可能な和平案で、この危機を避けるには、国連が中立的立場となり、そうした提案を提案していくしか、もはや大戦争を避けることはできないのかもしれない。
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