
路面電車だらけだった東京
東京の街中を縦横に都電が走っていた時代を知る人も、もはや少数派になっているだろう。何しろ、都電が全廃されたのは昭和47(1972)年のことだから、50年以上前のこと。
現在、都電と言えば、早稲田―三ノ輪橋間をつなぐ都電荒川線のことを指すと認識されているが、昭和40年代(1965~1974年)に順次廃止・撤去されていった頃までの都電は、都内に張り巡らされた路線網を持つ基幹交通インフラだった。
まずご覧いただきたい写真は、1964年撮影。浅草・吾妻橋を渡る車両。「30」番の番号を車体前面に掲げた都電の行先表示板には、よく見ると「須田町」の文字がある。須田町とは、現在のJR神田駅と秋葉原駅の中間あたりだ。


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