新ルートが開業、広島電鉄「戦後80年目」の転換点 課題だった渋滞対策、広島駅ビルに高架乗り入れ

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広島電鉄の「駅前大橋ルート」開業当日、沿線では電車を撮影する多くの人の姿があった=2025年8月3日(撮影:伊原薫)

2025年8月3日、日本の路面電車で最大規模を誇る広島電鉄が大きな進化を遂げた。「駅前大橋ルート」と称する広島駅―稲荷町―比治山下間の新線を開業。併せて、メインターミナルである広島駅停留場(以下「広島駅」)を、地平から同年春に開業した新駅ビルの2階へ移転させたのだ。

新たな広島駅はJR線の改札と同じフロアにあり、利便性が飛躍的に向上。線路や乗り場も増やされ、電車の円滑な運行が可能となった。

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広島駅周辺の長年の課題

広島電鉄にとって、広島駅周辺の輸送改善は長年の課題だった。従前の広島駅は敷地が狭く、引き上げ線は3本。2カ所設けられていた乗り場のうち1つは引き上げ線上にあったものの、もう1つは停留場の出口に位置していたうえ、有効長が短く同時に2つの電車を扱えないなど制約が多かった。

また、同駅から稲荷町電停までは三角形の2辺を通るような大回りとなるうえ、この区間は道幅が狭く、渋滞が頻発。道路行政としても抜本的な対策が望まれていた。

【写真を見る】旧ルートにあった荒神橋。車道は片側1車線で渋滞が多く発生していた。「駅前大橋ルート」の開業直前から一番列車の出発セレモニー、開業後の新たな街の風景。もう二度と見られない、旧ルートにあった電停の廃止前の姿も
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