新ルートが開業、広島電鉄「戦後80年目」の転換点 課題だった渋滞対策、広島駅ビルに高架乗り入れ

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その6時間後には、新ルートの一番電車出発を祝うセレモニーも開催された。

仮井康裕社長の挨拶に続き、新設された松川町電停と移設された稲荷町電停の地元である、的場町一丁目と松川町の町内会から乗務員に花束を贈呈。定刻の6時01分に広島駅発の一番電車となる広島港行きが125人の乗客を乗せ、新線を踏みしめるように出発した。

一番電車が発車。広電の新たな歴史が始まった(撮影:伊原薫)
【写真をもっと見る】駅前大橋ルートの一番電車出発セレモニー。地元町内会の代表者らがテープカット。JR広島駅のスタッフも駆けつけた

中心部への所要時間が短縮

駅前大橋ルートの開業により、広島駅から八丁堀や紙屋町といった広島市中心部への所要時間は、数字のうえでは4分程度短縮。前述のとおり交差点が減ったことで停車回数も減り、渋滞に巻き込まれることもなくなったため、体感ではそれ以上に縮まった印象を受けた。

今後は旧広島駅―的場町間で線路が撤去され、そのスペースを活用した車道や歩道の拡幅が広島市によって行われる。比治山下―的場町―稲荷町間は循環ルートの一部として整備され、2026年春に運行を再開する予定だ。

広電は原爆投下の3日後に路面電車の運行を再開し、多くの市民を勇気づけた。それから80年にわたり広島の復興と発展を支え続け、いま新たなステージへと突入する。この進化が広島の街と人々にとって、よりよい動きとなることを願う。

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伊原 薫 鉄道ライター

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いはら かおる / Kaoru Ihara

大阪府生まれ。京都大学交通政策研究ユニット・都市交通政策技術者。大阪在住の鉄道ライターとして、鉄道雑誌やWebなどで幅広く執筆するほか、講演やテレビ出演・監修なども行う。

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