新ルートが開業、広島電鉄「戦後80年目」の転換点 課題だった渋滞対策、広島駅ビルに高架乗り入れ

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これに続き、新ルートでは運転士の運転訓練も行われた。こちらは加速やブレーキのタイミングなどをつかむためのもので、1人あたり3往復を運転したそうだ。

植木泰誠運転士に話を聞くと、駅前大橋ルートはレールや軌道構造が新しいというのもあって乗り心地がよく、同時に急勾配をものともせず上る車両たちをたくましく感じたという。また、従来ルートよりも道幅が広いため渋滞に巻き込まれにくく、ほとんどが直線区間で交差点も少ないことから、運転がしやすくなったそうだ。

「試運転をしていると、多くの人々がカメラを向けているのが見え、自分自身もワクワクと緊張が入り混じった気持ちになりました」(植木さん)

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いよいよ旧ルートの最終日

そして迎えた、従来ルートの最終日となる8月2日。廃止区間の沿線では多くの市民や鉄道ファンが、見納めとなる「路面電車の走る風景」をカメラに収めていた。

最終電車の出発後には臨時の特別貸切電車が設定され、その出発に際してセレモニーを実施。廃止される旧広島駅と猿猴橋町電停の所在地である、松原町と猿猴橋町の町内会から乗務員への花束贈呈が行なわれ、事前募集の100人を乗せた電車が出発していった。

廃止まであと1時間を切った猿猴橋町電停。多くの人々が詰めかけた(撮影:伊原薫)
【写真をもっと見る】旧・広島駅停留場のセレモニーの様子。最後に出発した「特別貸切電車」の乗務員に花束を進呈する場面もあった
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