新ルートが開業、広島電鉄「戦後80年目」の転換点 課題だった渋滞対策、広島駅ビルに高架乗り入れ
工事はおおむね順調に進行。2024年6月にはハイライトとなる、駅前の県道を跨ぐ長さ約43メートル、重さ約250トンの橋桁が架設された。また、この高架橋に続く盛土部分はその下に地下広場があることから、重量を軽減するため内部にコンクリートや土砂ではなくブロック状の発泡スチロールを充填している。
初試運転の役割を担ったのは…
レールの敷設は2025年5月に完了し、6月6日の終電後には初めての試運転が行われた。最初に入線したのは元大阪市電の750形762号車。マスコミなどからも注目を集める場面で、最新鋭の車両でも広電生え抜きの車両でもない762号車が使われたのは意外だが、これにはもちろん理由がある。
762号車は2つある台車間の距離が長く、カーブを通過する際に車体が線路の中心線からはみ出す「偏倚(へんい)」が大きい。つまり、偏倚が小さい車両と比べてホームなどの構造物に接触する危険性が高くなる。もちろん完成時にきちんと検査されているものの、偏倚の大きな車両を最初に入線させて“最終確認”をしたというわけだ。
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