マレーシアの食事情で知るベジタリアンの奥深さ 魚はOK、乳製品もOK、根菜はNGなど実にさまざま

✎ 1〜 ✎ 30 ✎ 31 ✎ 32 ✎ 33
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

これ以外に「無理のない程度に」動物性食品を減らす「フレキシタリアン(フレキシブルなベジタリアン)」も増えていて一様ではない。

ベジタリアンになる理由や背景を分類すると、大きく3つの流れがある。

1 健康志向のベジタリアン
2 動物愛護を意識したベジタリアン
3 宗教的背景によるベジタリアン
「健康を保つ」ベジタリアン

まず、自らの意志で菜食を始める人。理由の1つは健康志向だ。

最近、クアラルンプールで筆者がときどき買い物に行っていた有機食品店の店主が代わった。新店主は、母親から店を引き継いだ華人女性だ。母親は、がんになったことを機に、仕事を辞めた。

闘病生活を支える家族も、食事や健康について真剣に考えるようになったという。「お客さんにも健康な生活を意識してほしい」という願いから、質のよい食品を吟味して店に置くようにしている。

これまでは保存の利く穀類や乾物、調味料などが中心だったが、最近は卵や野菜も置くようになった。ランチで菜食料理を始めると、近隣で働く人が集まるようになった。

動物を殺すことに加担したくない

「動物愛護」ベジタリアン

健康志向以外に増えているのは、「動物愛護を意識したベジタリアン」だ。動物を食べるということは、その前提として動物を殺さなければならない。そして非ベジタリアンの多くは、食物連鎖の一部として受け入れている。

ただ、人間は肉や魚を食べなくても生きていける。動物を殺すことに加担したくないという思いから、「植物性のものだけを食べる」と決めた人たちがいる。それが動物愛護を意識したベジタリアンだ。

筆者の知人で、イポーで菜食料理店を経営する華人女性は、「動物を殺すのが嫌で、ベジタリアンになりました。肉、魚は食べません」と語る。一方、動物を殺すわけではないので「卵や乳製品は食べる」とのことだ。

ベジタリアン
レストラン Seed Wholesome Diningによる「動物ではなく、植物を食べよう」というポスター(写真:筆者撮影)
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事