とくに紫外線を浴びると皮膚が赤くなるタイプの人は、イボが発生しやすい。
茶褐色や黒褐色のものが多いが、もとの皮膚の色とほとんど変わらない場合もある。大きさは数ミリ程度から数センチ程度、形状はドーム状に隆起するものもあれば、ほとんど盛り上がらないものもあり、さまざまだ。
一方、軟性線維腫は、首や脇の下など、皮膚が薄くてやわらかい部分にできやすく、1~3ミリの比較的小さなものが多い。原因は明らかになっていないが、紫外線や摩擦などが一因と考えられ、加齢とともにできやすくなる。
「脂漏性角化症も軟性線維腫も悪性ではないので基本的には放置しても問題はありません。ただ、一度できたら消えることはありませんので、見た目が気になる場合は、治療によって除去することができます」(川端医師)
治療では液体窒素による凍結療法が行われていて、保険診療での治療が可能だ。
凍結療法は、医療用の液体窒素でイボを瞬間冷却して除去する。一般的には2~3週間の間隔を空けて、1カ所のイボに対し2~3回に分け、少しずつ除去していく。
ただし、治療によって表面が平らにはなっても、色は残りやすい。気になる場合は、炭酸ガスレーザーを照射して焼いて除去するという方法もある。ただし、炭酸ガスレーザーの場合は麻酔が必要なうえ、自費診療となる(凍結療法との併用は混合診療になるため、原則行えない)。
イボと見間違う「日光角化症」
イボと見間違う危険性があるのが、皮膚がんの初期段階である「日光角化症」だ。日光を長年浴び続けると、表皮の基底層付近でケラチノサイトが異常をきたす。異常をきたしたケラチノサイトが増殖し続けると、顔面やうなじなどにイボのような皮疹が発生する。
さらにこの状態で長い間放置すると、異常をきたしたケラチノサイトが表皮より奥にある真皮内に入りこみ、皮膚がんに移行する可能性がある。
このため、日光角化症の段階で、手術で切除するのが確実だ。ほかに日光角化症治療薬の「イミキモドクリーム(商品名:ベセルナクリーム)」を塗って治す方法も保険が適用される。
「良性のイボと違って、炎症によって赤くなっていたり、角化して硬くなっていたりするのが特徴です。ただし良性のイボでも頻繁に触るなどすると赤くなるので、一般の人たちが区別するのは難しいこともあります。気になる場合は皮膚科を受診してください」(川端医師)
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