中国政府、地方の「隠れ債務」対策に215兆円投入へ 地方財政の逼迫を緩和し、景気の浮揚目指す

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地方政府の隠れ債務の具体的な規模について、これまで公式な発表はなかった。藍大臣は今回の記者会見で、2023年末時点の中国全土の隠れ債務の総額が14兆3000億元(約307兆円)だったと初めて明らかにした。

今回の措置を通じた借り換えにより、隠れ債務の規模は2028年までに約6分の1の2兆3000億元(約49兆円)に縮小する見通しだという。

中国の不動産バブル崩壊で、隠れ債務の利払い原資だった地方政府の土地売却収入は激減した。写真は建設途中で放置された雲南省昆明市の高層住宅(撮影:財新記者 鄭海鵬)

中国経済の安定成長にとって、隠れ債務の削減はどのようなメリットがあるのか。この疑問に対して、藍大臣は次のようにコメントした。

「一部の地方政府が抱える隠れ債務は規模が大きく、金利負担も重い。これは予測困難なリスクであるだけでなく、地方政府が(地元の発展のために)利用可能な財政の体力をも奪っている」

実体経済へのメリット強調

藍大臣の説明によれば、隠れ債務の一気呵成の削減には「一石二鳥」の効果がある。

第1に、地方政府にとって“焦眉の急”である足元の債務返済圧力を緩和し、利払い負担が軽減されること。第2に、(地方政府の財政に余力を与えることで)地方経済の資金の流れを円滑にし、経済発展の活力を補強することだ。

本記事は「財新」の提供記事です。この連載の一覧はこちら

「今回の措置により、これまで隠れ債務の対応に費やされていた(経済的・人的な)リソースが解放され、経済発展の促進と市民生活の改善に回せるようになる。さらに、債務の圧力が原因で滞っていた(地方政府の)政策運営にも余裕が生じる」

藍大臣はそう述べ、投資、消費、技術革新などへの政策的サポートの強化を通じて、実体経済に恩恵をもたらすという見解を示した。

(財新記者:鄭思偉)
※原文の配信は11月8日

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