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「ディズニーグッズ転売集団」密着して知った"闇" 両肩に大型ビニールバッグが「定番ルック」

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ショップの前に到着してもなお、彼女らはスマホの操作を続けていた。その結果、午前中に全員それぞれがパスを入手し、計20人分の予約枠を取得することに成功した。

そして10時15分ちょうど、入り口に立っているスタッフに蒋偉が4人分のスタンバイパスを提示し、阿麗、小静、梓梓とともに店内へと入っていった。劉姐と筆者は外で待機だ。

よく見ると、そこかしこに転売ヤーが

近くのベンチに腰掛け、人の流れを眺めていると、彼女ら以外にも大勢の転売ヤーが闊歩していることに気がついた。

転売ヤー集団を見分けるのは簡単だ。まず、彼らは大抵4、5人のグループで歩いている。そして、購入した大量のグッズを持ち運ぶための大型のビニールバッグを両肩から下げているのも特徴だ。

バッグは園内で売られているキャラクターバッグであったり、IKEAで売られている青いバッグだったりで、多くの場合は使い古されている。「夢の国」に出かけるのに、わざわざ薄汚れた大型ビニールバッグを持ってくる一般客など、ほとんどいない。

逆に、コアなディズニーファンが着用しているキャラクターもののカチューシャや被り物の類を着けている転売ヤーは皆無だ。彼らにとってTDRはあくまで商材買い付けの場でしかないのだろう。

15分経つと、偉らは、すこし膨らんだビニールバッグを抱えて外に出てきた。

それを出迎えようと立ち上がったのだが、彼女らはこちらに来ることなく、もう一度店の入り口にもどる。今度は小静が4人分のスタンバイパスをスタッフに見せて、再度入店したのだった。彼女は、ちょうど次の時間帯の予約枠を取得していたのだ。

店を出た直後に再入店する彼女らに、スタッフが怪伬な表情ひとつ浮かべなかったのは、ひとり4枚のチケットで入園した際と同様だ。

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若干、手持ち無沙汰になった筆者は、出入り口から店の中を覗き見た。驚いたことに、中にいる買い物客の7、8割が、前述の“転売ヤールック”なのである。

先ほどから店には別の転売ヤー集団も盛んに出入りしていることは気づいていたが、ここまでとは思わなかった。

しかしよく考えてみればそれもそうだろう。多くの一般客にとって、ディズニーのお目当てはまずはアトラクションやショーだ。それらを犠牲にしながら、スマホと睨めっこしてアプリ画面の更新を繰り返して予約枠を勝ち取り、さらに指定された時間にショップを訪れるというのは、ハードルが高すぎる。

このスタンバイパスはもともと、混雑に悩まされることなく落ち着いて買い物を楽しんでもらうために導入されたシステムかもしれないが、その恩恵を最も受けているのは転売ヤー集団という、皮肉な状況となっているのだ。

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