「ディズニーグッズ転売集団」密着して知った"闇" 両肩に大型ビニールバッグが「定番ルック」

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「TDRの新発売のグッズには、『同一商品はひとり3点まで』という購入制限がされているものが多いんだよ。でも、こうやってわざわざ買い付けに来たからには、できるだけの量を仕入れたいでしょ。

だから今日は、ひとり4枚ずつチケットを用意したよ。実際に入園する人はひとりでも、ゲートで『使用済み』にしたチケットが4枚あれば、同一商品もひとり12点まで買えるからね」

阿麗(アリー)はそう説明すると、入園ゲートへと進んでいった。

不審な行為の理由が、転売対策の購入個数制限を突破するための手段だと知った筆者は、彼女がスタッフに呼び止められるのではないかとヒヤヒヤしていたが、目の前にいるスタッフは気にも留めていない様子だ。

結果、5人は15人の“透明な同行者”とともに入園を果たした。

スタンバイパス争奪戦

さっそく売り場に直行するのかと思いきや、彼らは歩速を緩め、一斉にスマホの操作を始めた。

「アプリでスタンバイパスを取らなきゃいけない」

劉姐がいった。

スタンバイパスとは、東京ディズニーリゾート・アプリで15分ごとに利用時間が区切られた予約枠を取得することで、混雑に悩まされることなく買い物ができるというシステムだ。

新商品発売日からしばらくの間は、パーク内のいくつかの店ではこのパスが必要になる。今日のメインターゲットである「ダッフィー&フレンズ」の新作のような希少性の高い、つまり転売時に利幅の大きい限定グッズの数々が販売されているのも、スタンバイ制のショップなのだ。

そしてスタンバイパスは、入園後でなければ取得することはできない。つまり転売ヤーにとっての入園後、最初の仕事がこのスタンバイパスの獲得であり、取れなければ買い付けが始まらないのだ。

筆者も、自身のスマホでアプリを開き、スタンバイパスの取得を試みた。開園からまだ30分ほどしか経っていないというのに、どのショップも午前中の予約枠はすべて一杯になっていた。

しかし劉姐は事もなげだ。

「何度もアプリの画面を更新していたら、“空き”が出てくる。予約枠が補充されたり、一回予約した人がキャンセルしたりするから」

5人それぞれがスマホと睨めっこを続けること約10分、劉姐に小言を言われて意気消沈ぎみだった蔣偉(ジャンウェイ)が得意げに声を上げた。

「我取得了!(取れた!)」

彼が獲得したのは、入園ゲートからすぐの場所にあるガッレリーア・ディズニーというショップの10時15分の枠だった。

一行は、ショップの方角へと進み始めたものの、蔣偉を除く女性陣は相変わらず歩きスマホをしている。

「蔣偉が取ったのは、彼がチケットを持っている4人分の予約枠だけ。園内を行ったり来たりすることなく効率よく買い回るために、残り16人分の予約枠も、同じ店で近い時間帯に取れるように探している」(劉姐)

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