年収11億「都バスのドル箱路線」地下鉄開通で逆風 東京メトロ有楽町の新線ルートと重なる「東22」

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まず、大幅な減便は避けられないだろう。

ただ、地下鉄はバスと並行する住吉駅~東陽町駅間の途中駅が千石駅(仮称。千石2丁目交差点付近)しかない。前述のようにこまめな短距離利用も多いバス利用者の需要を、地下鉄がそのまま受け止めることは難しいだろう。

また、区役所など目的地がバス停の目の前にある場合はバスを使うメリットが大きい。

さらに有楽町新線が、「東22」の終点である錦糸町に直通するかは不透明だ。JR錦糸町駅やパルコ、アルカキット、オリナスなど大型商業施設へバスで向かう人々も多く、一定の本数はバスを残さざるを得ないだろう。

錦糸町駅南口のバスロータリー(写真:筆者撮影)

好材料はあるものの…

そう考えると、新線開通後も「東22」は過去の新線開業の例ほど影響を受けないかもしれない。しかし「年間収入11.3億円・利益3.19億円」といった水準は維持できず、都営バスの経営へのネガティブな影響は必至だろう。

多くの人が期待を寄せる新線の開業。ただ、都営バスにとっては必ずしも歓迎されるものではないようだ。

宮武 和多哉 ライター

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みやたけ わたや / Wataya Miyatake

バス・鉄道・クルマ・駅そば・高速道路・都市計画・MaaSなど、「動いて乗れるモノ、ヒトが動く場所」を多岐にわたって追うライター。政令指定都市20市・中核市62市の“朝渋滞・ラッシュアワー”体験など、現地に足を運んで体験してから書く。3世代・8人家族で、高齢化とともに生じる交通問題・介護にリアルに対処中。著書「全国“オンリーワン”路線バスの旅(既刊2巻・イカロス出版)など

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