次期トランプ政権下で米国株高は本当に続くのか FRBは再び「あからさまな圧力」にさらされる?

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
大統領に返り咲くトランプ氏はFRBのパウエル議長に圧力をかけるのだろうか(写真は2017年:ロイター/アフロ)

11月5日に実施されたアメリカの大統領選は、共和党のドナルド・トランプ氏の勝利に終わった。しかも、トランプ氏がいわゆる接戦州でほぼ勝利する中で、議会選挙についても上下両院ともに共和党が押さえる、「レッドスイープ」(トリプルレッド)の可能性がかなり高い状況となった。トランプ次期大統領は来年1月の就任後、これまで掲げてきた政策を実行に移しやすい立場を手にしそうだ。

株式市場は「予見しやすいトランプ」の再登板を歓迎

すでに金融市場では、レッドスイープ実現への期待を背景に、10月から長期金利が上昇しており、株式市場では企業決算の材料をこなしながら、S&P500種指数は最高値圏で高止まりが続いていた。

開票直前まで大接戦を予想するメディアも多く、大統領決定までにかなりの時間を要するシナリオも想定されたが、実際にはトランプ氏の勝利が早々に決まり、レッドスイープへの期待がさらに強まった。11月6日に、S&P500種指数は最高値を更新する大幅高となり、長期金利は4.4%まで一段と上昇、ドル円は1ドル=154円台までドル高が進んだ。

トランプ氏返り咲きによる大幅な政策転換予想から、金利上昇、株高で反応した市場の値動きは自然である。仮に、カマラ・ハリス大統領となれば、民主党の「代打の候補者」である同氏には、経済政策について独自の考えは乏しいことから、これまでのバイデン政権の政策が継続されそうないっぽうで、同党の左派議員らの影響が強まるリスクがあった。

それに対して、トランプ氏となれば、「アメリカファースト」の考え、前大統領時の振る舞い、打ち出している公約などから今後の政権運営はある程度予想できるので不確実性は低い。「予見しやすいトランプ」の再登板となったことを、株式市場が好感したといえる。

関連記事
トピックボードAD
マーケットの人気記事