「トランプ関税は怖がらなくてもいい」は本当か あまり楽観的になるのだけは避けたほうがいい

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昨年12月にはニューヨーク証券取引所でオープニングベルを鳴らしたトランプ次期大統領。「株価を意識した政策」が行われるはずだ(写真:ブルームバーグ)

私が住んでいるアメリカでは、1月20日の就任式を経て、いよいよ第2次トランプ政権が始動する。

昨年11月5日に行われた大統領選直後には、長期金利が大きく上昇、ドル高も進むなど、市場ではいわゆるトランプトレードと呼ばれる動きが加速した。ドナルド・トランプ次期大統領に限らず、政治家が選挙前に行った公約がすべて実行に移される可能性は極めて低い。

第2次政権下でも「株価依存型の政権運営」へ

特にトランプ氏が大統領選挙時に掲げた公約はかなり大胆で、景気動向に大きな影響を及ぼすものが多いうえ、派手なパフォーマンスも後押しして相場を大きく動かすこともたびたびあった。だが、今後はそのうちの何が実現して、何が「提案倒れ」に終わってしまうのかを、しっかりと見極める必要が出てくる。今回は市場の注目を集めているいくつかの政策について、それがどの程度実行可能なのかを検証してみたい。

まず、第1次トランプ政権を通じてわかった、大統領の行動パターンを確認しておきたい。それはひとことでいえば、「株価依存型の政権運営」ということになりそうだ。

株価が上昇すればそれをことさら大きく取り上げ、自身の政策が株高につながったと自画自賛する。その一方で、株価が下落すればすぐに対策を考え、必要とならば進めている政策を変更することも辞さないという姿勢は一貫して見られたといってもいいほどだ。

今回、トランプ次期大統領が掲げている公約の中には、支持率上昇の目的で打ち出したものも多く、すべてがアメリカ経済にとってプラスになるわけではない。就任当初こそ公約をすぐさま実行に移す姿勢を見せる可能性は高いが、市場がネガティブな反応を見せれば、早々に修正を加えるなり、場合によっては撤回するものも出てくるはずだ。

また議会の承認を必要とするものの中には、いくら大統領が積極的に進めようとしても、議会の反対で頓挫するものも少なからずありそうだ。この辺りを慎重に見極めて、判断する必要がある。

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