トランプの「経済政策」は2期目で大きく変わる ウォール街がホワイトハウスにやってくる
例えば、トランプの政権移行チームを率いる投資銀行界の小企業、カンター・フィッツジェラルドのCEOを務めるラトニック。同氏は所得税の代わりとして中国からの輸入品に関税をかけることを大々的に推進している。
「国民に税金をかけるな。代わりに金を稼げ。中国に関税をかけ、4000億ドルを稼ごう」とラトニックは先月末のポッドキャスト・インタビューで語った。
関税はどうなるか?
トランプは前大統領時代、鉄鋼やアルミニウムなどに関税を課したが、ジョー・バイデン大統領によって放置され、トランプが掲げる60%もの高率よりもはるかに厳しいものとなっている。両党のエコノミストは、こうした関税が消費財の価格を押し上げ、各国がそれに応じることで連鎖的な経済的影響をもたらす可能性があると考えている。
最近のインタビューで、ウォール街のアドバイザーや投資家たちは、トランプ大統領がこのような厳しい関税を課す可能性をほぼ否定している。しかし、トランプ大統領が関税撤廃に踏み切れば、ビジネス界とウォール街は大混乱に陥るだろう、と彼らは語っている。
「関税は、おそらく1年後まで待たなければならないと思う」とバークレイズのアナリストは11月6日に書いている。
ジョージ・ソロスの元マネージャーであるベッセントは、連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長の任期が切れる前に別の人物を指名することで、トランプ大統領がパウエル議長を弱体化させることができるかもしれないと示唆している。中央銀行の独立性に干渉しているとみなされ、金融市場を動揺させる可能性があるため、新大統領は通常行わないことだ。
ベッセントはまた、9月にフォックス・ビジネスに語った「アメリカ経済の再民営化」の一環として、電気自動車(EV)などの産業に対する政府の補助金を削減したいと考えている。そして、「われわれはフランスではない」と付け加えた。