日本では"尻軽"と誤解「bitch」の主な使用法4つ ネイティブが真に伝えたい英語のニュアンス

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bitchという単語は公の場では使わないほうが無難ではありますが、アメリカでは割に日常的に使われています。ただ、やはり元が女性蔑視的な意味合いを持つ単語なので、若いリベラル層の間では差別用語として捉える向きもあり、責任ある地位についている人は気をつけたほうが無難(メディアなどではthe B-wordなどと言い換えます)です。

shitのコアイメージは「理不尽で面倒」

shitは《クソ》という意味のswear word(罵り言葉)ですが、コアイメージは日本語の《クソ》と同じで「いまいましい」「うざったい」「アホらしい」。例えばI have to do this shit.のshitはつまりthingで「コイツをやらなきゃならない」ですが、「理不尽で面倒なこと」という感覚の表現。

Don’t give me shit.は直訳すると「クソをよこすな」ですが、「いまいましいこと」は大体「耳が痛いこと」なので「批判的なことを言わないで」という意味。また、日本人が悩む「仕方ない」の表現によく使われる Shit happens.も「クソいまいましいことは起きるもの」で「しょうがない、気にするな」という意味です。

日本語でも「クソかわいい」とか「クソ強い」といった具合に程度が著しいことを表すポジティブな強調表現として《クソ》を使ったりもしますが、shitも同じ。例えばShe’s the shit.は「彼女こそサイコー」と最大限にイカしてることを、インパクトを込めて表した褒め言葉なのです。

shitと動物を組み合わせた熟語は多く、それぞれ微妙にニュアンスが異なります。例えば〈雄牛+クソ〉であるbullshitと〈馬+クソ〉のhorseshit はどちらも《嘘》ですが、前者は「あからさまな嘘」「真っ赤な嘘」という響きなのに対し、後者は「ウンザリするような嘘」とやや感情が入ると感じる人も。That’s a load of horseshit.で「それは完全な嘘っぱち」という意味に。

また〈猿+クソ〉のapeshitと〈コウモリ+クソ〉のbatshitはどちらも《気が狂った》なのですが、前者は「キレて発狂した」(例: He went apeshit.)と瞬間的な状態を表すのに対し、後者は「頭がどうかしている」(例:She’s batshit crazy.)と、ある人や集団の持続的な性質を表すのに使用します。

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